統合報告書を作成することのメリット

統合報告書を作成することのメリットは、企業を取り巻く様々なステイクホルダーとの円滑なコミュニケーションの促進にあります。従来、企業は、一営業期間の決算として、財務報告を行ってきました。しかし、財務報告の場合には、一営業期間が通常一年であり、長期的な視点に立って企業のビジョンを示すことが困難でした。短期的な利益の追求を行った結果、財務報告をよく見せるために粉飾決算などに手を染める経営者が後を立たなくなっています。そのため、統合報告書は、長期的な視点で企業のビジョンを明示するために役立てられ、その視点でどのように価値を創造することができるかを、ステイクホルダーとのコミュニケーションを通じて実現するためのツールとして役立てていることができるのです。

どのように報告書を作成するのか−その基本−

統合報告というからには、何かと何かを統合した報告書であるはずです。では、何と何を統合したのでしょうか。それは、従来の財務報告と環境報告を統合した報告書なのです。しかし、ただ統合しただけではありません。統合報告を行う最大のメリットは、長期的な視点に立った場合の企業のビジョンをステイクホルダーと共有できることにあるからです。そのため、統合報告書の作成というのは、従来の報告書をただ統合するということではないのです。統合する際のポイントは、どのようにして価値を生み出したのかを示すということです。長期的な視点に立ってどのように価値を生み出したのか、そのプロセスを明示することが統合報告に求められる使命です。しかも、その価値をステイクホルダーとのコミュニケーションを通じて実現していく必要があるのです。

ステイクホルダーとのコミュニケーション

統合報告書の作成には、ステイクホルダーとのコミュニケーションが不可欠です。なぜなら、長期的な視点に立つということは、企業の周りに関わる人たちとどのような関係性を構築するかということだからです。企業が運営するためには、様々な資源が必要です。例えば、労働力として人を雇う必要があります、その場合、彼らはステイクホルダーです。彼らとのコミュニケーションを通じて、ビジョンを共有することで長期的な価値を創造することができるのです。また、企業は自然環境から資源を調達していますから、自然環境もステイクホルダーです。実際には、自然環境を代表するNGOなどがステイクホルダーとなりますが、彼らともコミュニケーションを通じて価値を創造する必要があります。このように、統合報告は、長期的な視点をステイクホルダーと共有し、どのように価値を創造するのかを示す報告書なのです。